アメリカで働いているけれど、所得税っていったいどれぐらい引かれているのか、わかっているようでわかってない私のような方向けに、まとめましたので、ご参照ください。
実際の算出には、控除するものも関係してくるので、ここでは、だいたいこんなもので、こんなふうに算出されているんだな、と把握する程度にご利用いただけたらと思います。
アメリカの所得税は
- 日本では、所得税と住民税がありますが、アメリカでは連邦所得税(国税)と州の所得税(および地方の所得税)があります。
- アメリカ50州、それぞれの州で州の所得税が異なり、州の所得税が無い州もあります。(その場合も連邦所得税は支払うことになります。)
- 課税は、1月1日から12月31日分まで。
- 年末調整は無く、毎年、翌年の4月15日までに、各個人で全員が連邦(フェデラル)と州(ステイト)へ、それぞれ確定申告をします。
ここでは、国税にあたる、連邦所得税について紹介します。
連邦所得税の予備知識
- 2022 年の連邦所得税率は 2021 年から変更されていません。
- 連邦政府への申請ステータス(独身、世帯主、既婚など)に基づいて、課税所得グループが分類されます。
- 課税所得グループの中で、7つの税区分(ブラケット)に分かれています。所得が多いほど納税額が高くなります。
- 所得の低いブラケットから、10%、12%、22%、24%、32%、35%、37% です。
つまり、表にすると、こうなります。
2021-2022年度のフェデラル(連邦)所得税
※2021-2022年度(2022年に2021年度分を、2023年に2022年度分の確定申告をする際に、適応)
累進 課税率 |
独身者 | 夫婦合算申告 クオリファイした未亡人 |
夫婦個別申告 | 世帯主 |
10% | $0 – $10,275 | $0 – $20,550 | $0 – $10,275 | $0 – $14,650 |
12% | – $41,775 | – $83,550 | – $41,775 | – $55,900 |
22% | – $89,075 | – $178,150 | – $89,075 | – $89,050 |
24% | – $170,050 | – $340,100 | – $170,050 | – $170,050 |
32% | – $215,950 | – $431,900 | – $215,950 | – $215,950 |
35% | – $539,900 | – $647,850 | – $323,925 | – $539,900 |
37% | $539,901 以上 | $647,851 以上 | $323,926 以上 | $539,901 以上 |
計算方法
たとえば・・・
独身女性が年間80,000ドル稼いだ、とした場合を例にあげると、累進課税率のブラケットでは22%の税率と書かれてありますが、所得全部に対して22%の税率ではありません。
累進課税方法をとっているので、
$10,275までは10%の税率
$10,276から$41,775までの$31,500に対して12%
$41,776から$80,000までの$38,225に対して22%
それらを足した金額が、連邦所得税、となります。
合計すると、22%よりも低い税率になります。
税金の控除
所得税を減らすことができる、Tax Credit(税額控除)、Tax deduction(所得控除)があります。
Tax Credit(税額控除)
たとえば養子縁組、養育している子供がいる、住宅ローンの利子など、他にも様々な控除があるようです。
Tax deduction(所得控除)
標準(所得)控除(Standard deduction)と、項目別(所得)控除(Itemized Deduction)があり、どちらかの控除をうけることができますが、両方はできません。自分が得するほうを、納税者が選んで控除します。
標準(所得)控除(Standard deduction)
毎年、インフレに合わせて、申請ステータスに合わせた控除額が決定されるので、それを所得から差し引くことができます。
たとえば、2021年度分の標準所得控除は、以下の金額でした。
独身者 | 夫婦合算申告 クオリファイした未亡人 |
夫婦個別申告 | 世帯主 |
$12,550 | $25,100 | $12,550 | $18,800 |
というわけで、先ほどの例の、年間80,000ドル稼いでいる独身女性は、
$80,000(所得) – $12,550(標準所得控除額) = $67,450
$67,450の所得とみなして、所得税を算出することになります。
$10,275までは10%の税率
$10,276から$41,775までの$31,500に対して12%
$41,776から$67,450までの$25,675に対して22%
それらを足した金額が、連邦所得税、となりますので、
$2,761の税金差額を得した計算になります。大きいですね。
項目別(所得)控除(Itemized Deduction)
上記の所得控除よりも、項目別に(例えば医療費がかかった、出張費がかかった、盗難や災害による被害など、さまざまあるようです。)控除を申請したほうが、上記の標準所得控除を申告するよりも得な場合は、項目別控除を申告します。
2023年度のフェデラル(連邦)所得税
10月に、2023年度のフェデラル(連邦)所得税(国税)の発表がありましたよ。
これは、2023年に2022年度分の所得を申請する際に適応されるものです。
表にまとめました。
累進 課税率 |
独身者 | 夫婦合算申告 クオリファイした未亡人 |
世帯主 |
10% | $0 to $11,000 | $0 – $22,000 | $0 – $15,700 |
12% | – $44,725 | – $89,450 | – $59,850 |
22% | – $95,375 | – $190,750 | – $95,350 |
24% | – $182,100 | – $364,200 | – $182,100 |
32% | – $231,250 | – $462,500 | – $231,250 |
35% | – $578,125 | – $693,750 | – $578,100 |
37% | $578,126 以上 | $693,751 以上 | $578,101 以上 |
ブラケット内の金額幅が広がったので、税率が下がる方も多そうです。
2023年の標準所得控除
独身者 | 夫婦合算申告 クオリファイした未亡人 |
世帯主 |
$13,850 | $27,700 | $20,800 |
こちらも控除金額が上がりましたよ。
まとめ
アメリカでは連邦所得税(国税)と居住地の州所得税(地方所得税)が毎年徴収されますが、ここでは連邦所得税(国税)について紹介させていただきました。
所得税に対してはさまざまな控除が適応されるケースバイケースのため、私が素人ということもあり、ここでは細かい案内はしていませんが、だいたい国にいくら払っているのかなーという目安にご覧いただければ幸いです。
合わせて、州別の所得税をご覧ください。
取り急ぎ、自分が暮らしていると言うこともあり、ハワイ州の所得税について、書き始めました。
順を追って、他州の所得税についても書きたいと思います。