アメリカで暮らす私たちが、金をどこで、どうやって買うか、をまとめました
金の買い方は2つ
金の買い方は2つあります
1つは金の現物を買うこと。
延べ棒(バー)やコイン(金貨)やジュエリーを買って、手元で管理するか、貸金庫や購入先で保管してもらうという方法があります。
もう1つは、金鉱会社等の株やETFを買うこと。厳密には金を買うというより、投資です。
先に現物を買うほうから案内します。
地金 Bullionを買う
地金をBullionと言います。金塊、延べ棒をさしてつかうので、銀であってもBullionと呼んでいます。
地金の重さで買う
金の相場は、1オンスいくら、という表示が基本です。1オンスは31.1グラムです。
私たちアメリカで暮らす日本人の頭の中では、オンスとグラムが頭の中がごちゃごちゃしがちですが、金も同じく、金貨は1オンスやハーフオンスのものが売られているのですが、小さな延べ棒(バー)は、1グラム、2.5グラム、5グラム、10グラム。大きなものでは500グラム、1キログラムといったグラム・キロ単位で売買されています。
金の純度
金の純度ですが、99.99%以上金が純金とされ、999.9と表示されます。
フォーナインと呼ばれたりします。銀河鉄道999を思い出してしまいました。
延べ棒(バー)や、アメリカが発行しているアメリカンイーグルやカナダが発行しているメープルリーフ金貨はフォーナインです。
左の画像は、カナダのメープルリーフ金貨ですが、1/10オンスのもので、純度999.9と表示されてあります。
日本人の私たちには、24金と言うほうが、なじみがありますが、24金=金100%(厳密には99.99%金、ですが)なので、18金は24分の18の量が金で、残り24分の6は他の金属が入っています。
数字で表しているのでわかりやすいですよね。
しかし、売る時は、純度の高いほうが高く売れます。
金の価格
金の価格には2種類x2あります。
一つ目の2種類は、スポット価格とメルト価格です。
メルトは溶かす、のメルトです。
金のものは溶解して金を取り出す作業が必要です。
たとえば18金のネックレスを売りに出したとすると、そのネックレスに含まれる金の量は24分の18です。その含まれる金の量をメルト価格で買い取ってくれる形になります。
二つ目は、Ask(アスク)とBid(ビッド)です。
FXや株をしている方にはなじみのある言葉かと思います。
Ask値は、スポット価格(金の時価)より高め(+マージンが付いています)
Bid値は、スポット価格より低め。メルト価格と同意語扱いになります。
金をコインで買うか、バーで買うか、ジュエリーで買うか
コイン(金貨)
アメリカのゴールド・イーグル、カナダのメイプル・リーフなどが有名ですね。
コイン(金貨)は、金の価値プラスの魅力(プレミアム)が付いているので、その分販売価格は高くなっています。
売る時には、金貨としてそのプレミアムが評価された価格で売れるか、それとも、金の価値だけで買い取られるかは、時代背景により変わるかと思います。
バー(延べ棒)
延べ棒(バー)は、私たちにも買いやすい少量(1グラム)から買えます。鋳造もコインに比べ簡単で、製造費や手数料も抑えられているため、コインより安く買えます。
この頃出回っているバーは、カードサイズのビニールパウチに入り、試金者カードと言われるものが入っています。これにはバーの金含有量、純度、シリアルナンバーなどが記載されています。
しゃれたデザインで買いやすく、プレゼントにも喜ばれ、そして売りやすくなっています。
ただし、バーを小分けにして鋳造する手数料や、このパウチの手数料がかかっている分、スポット価格よりも高く販売されています。
ジュエリー
ジュエリーにするには純金では柔らかすぎるため、18金、14金などにされているものがほとんどで、そこにデザイン料や加工費、マージンなどが加算されているため、かなりの割高になります。
気に入ったものを買って、付けて楽しみ、困った時に売れば多少の金額は入る、という目的なら、アクセサリー・ジュエリーがいいと思います。
ジュエリーを金として売る時は、店舗のメルト価格xジュエリーに含まれる金の量になります。
金貨と同じくプレミアム付きであれば、ジュエリーとして売るほうが高く売れる場合もあると思います。こちらもその時の時代背景によるかと思います。
どこで金を買うか
金貨はコインショップでも買えますし、ジュエリーはジュエリーショップで買えます。また、質屋Pawn Shopでも見つけられます。
財産にするために素人が購入するなら、きちんとしたお店から金貨やバーを買うのが安全です。
地元の金販売店か、オンラインで購入します。
オンラインは今の主流で、買うことも売ることもできます。
ただし、ジュエリーを売る場合は、地元にある、金を買い取る店へ持ち込むのが一般的なようです。
アメリカでオンラインで地金を売買している会社
アメリカでオンラインで地金(Bullion)やコインを売買している大手で、1グラムからでも購入できるサイトをピックアップしました。(アルファベット順)
Apmex
オクラホマ州にあり、世界最大の貴金属のオンライン店舗です。堅実な仕事で知られています。BBBに登録され、A+の高い評価を受けています。
日本の方も日本から購入できます。買い方をこちらで紹介していますので、ご覧ください。>>ビットコインでも金が買える!Apmexでアメリカから&日本から・金・銀・プラチナを買う方法
Golden Eagle Coins
メリーランド州にあります。BBBに登録され、A+の高い評価を受けています。コインと社名についていますが、バーも1グラムから販売しています。
JM Bullion com
本社はテキサス州ダラスにあります。アメリカのビジネス・ベター・ビューローBBBでA+の高い評価を受けています。
SD Bullion
本社はミシガン州にあります。2014年からBBBに登録され、A+の高い評価を受けています。
以下は、アメリカ住民が使える地金ディーラーとしてWikiペディアに掲載されていた表をまとめたものです。いずれのディーラーも金および銀を取り扱っています。しかしこれ以上あるように思います。
バーは、下の写真のように、カードにパウチされて、試金者情報、金の重さ、純度、シリアルナンバーの情報が入った形で販売されているので、プレゼントにも使えます。
左から、Valcambi(スイス)、Perth Mint(オーストラリア)、PAMP(スイス)、Royal Canadian Mint(カナダ)、Argor-Heraeus(Heraeusグループ・ドイツ)のブランドです。
アメリカで純金のジュエリーを重量で販売している会社
24金のみを重量売りしているジュエリーのオンラインショップを2つ見つけました。
MENE
MENEは純金(24金)のアクセサリーを現在の金相場の価格を反映させ、重量プラスマージン提示してオンラインで販売しています。
MENEの商品はすべて24金(または24カラットのプラチナ)です。
下の画像は不思議のメダイをデザインしたペンダントトップですが、購入価格は、金相場の動きに連動して、常に変化しています。
重量、金の価格、Mene feeというのは、このお店が上乗せしているマージンです。マージンは30%未満と、他社に比べてかなり良心的。
MENEは、カナダとアメリカで株式も発行しています。
(カナダでのシンボルはMENE、アメリカではMENEF。※残念ながら、M1やRobinhoodでは購入できません)。
本社はEU、オフィスはカナダのトロントにありますが、デザインとマーケティングはフランスのパリ、製造・管理はアメリカのロードアイランドとニュージャージーで行い、グローバルに対応し、数々の雑誌にも「新しい販売方法で、ゴールドジュエリー界に革命を起こす会社」として紹介されています。
Meneの商品をMeneに買い取ってもらうこともできます。
その際の買取価格は、その時の金の相場価格から10%引いたメルト価格です。
アカウントを作ることができ、金を順調に貯めていき、買取もしてもらえるという長期の付き合いを重視した純金ジュエリーショップです。
MAISON LAUREA
Maison Laureaも金の価格を反映し、重量プラスCreation fee製作費というマージンを乗せして販売しています。
MENEと同じく、金相場の価格を反映しているので、値段が刻々と変わります。
下の画像は、ちょうちょのネックレスですが、MENEと同じく、重量、金の価格、制作費が表示されています。
クリエイション・フィーというマージンは、40%未満で、Meneよりは割高になっています。合計の重量が重くなるほど、割引されます。
またこちらの商品を買った後、Meneと同じく、こちらへ売ることもできるようです。その際の買取価格は、その時の金の相場価格から10%引いた金額になるようです。
本社はフロリダで登記もされていますが、デザインはフロリダ・パームビーチ、ニューヨーク、イタリア・ヴェネト(ベネチアのある州)で行っているそうです。
金を現物で買うメリットとデメリット
メリット
- 金を所有している気分を目で見たり触れることで味わえ、満足感がある
- 1グラムから購入でき、もち運びや保管が簡単で、プレゼントにもできる
- いざと言う時に、売れる
デメリット
- 購入時に消費税がかかる。
- 利子が生まれない上、保管を依頼すると維持費がかかる。
- 元本割れする可能性がある
- 手数料やマージンが売買ごとにかかる。
- 売却に手間がかかる。
- 売却益に納税義務が発生する。
ETFを買う
「株が下がる時に金は強い」と言われているため、株のポートフォリオに、安全のために、金の値動きに連動するETF(上場投資信託)や金鉱株を入れている人も多いようです。
金の現物を保有するのに比べて、手軽で経費も比較にならないほど安く、流動性があります。
SPDR Gold Trust
SPDRゴールド(スパイダー・ゴールド)と呼ばれています。シンボルはそのものずばりGLDです。金EFTでは、世界でもっとも人気があります。資産約624億ドル
原資産は、安全な保管庫(ロンドン)に保管されている地金で構成されているため、価格は、スポット金価格と歩調を合わせて動くことが期待できると言われています。
1シェアは金1オンスの1/10の価格となっています。
経費率 0.4%
iShares Gold Trust
シンボルはIAU。Auは金の元素記号ですね。SPDR ゴールドトラストに次いで人気があります。資産約29億ドル
原資産は、世界中の保管庫(資料にて公開されている)に保管されている地金で構成されており、スポット金価格を追従する形になっています。
1シェアは金1オンスの1/100の価格となっています。
経費率 0.25% と低め。
SPDR Gold Mini Shares Trust
シンボルはGLDM。資産約4億ドル。
GLDと同じステート・ストリート・グローバル・アドバイザーが出している、ETFです。資産4億ドル。
GLDは2004年に出た、初めての金のETFですが、1シェアが金1オンスの1/10の価格であり、経費率0.4%なのに対し、後出のIAUが、1シェアが1/100の価格であり、経費率も0.28と安いことから、対抗すべく、2018年に出たのが、GLDMと言われています。
同じくこちらも金スポット価格に連動しています。
少額で購入したら、長期保管したい方向けと言われています。
1シェアは金1オンスの1/100の価格
経費率 0.18%
Aberdeen Standard Physical Gold Shares ETF
シンボルはSGOL。こちらも金価格に連動しています。資産は2億ドル。
原資産はスイスに保管されており、シリアル番号まで公開。
1シェアは金1オンスの1/100の価格
経費率 0.17%
GraniteShares Gold Trust
シンボルはBARです。ETFの商品名と少しもかぶるところが無いので、連想しにくいですね。
資産1億ドル。
経費を抑えて破格値のETFを出すことをめざした企業の、金スポット価格追求型ETFです。
1シェアは金1オンスの1/100の価格
経費率 0.17%
株を買う
金鉱や金関連の株を買うこともできます。たくさんあるので少しだけ掲載します。
Newmont Corp.
シンボルはNEM。資産413億ドル。
金の生産社で、本社はコロラドにあり、北米、南米、ネバダ、オーストラリア、アフリカで運営されています。
FRANCO NEVADA CORP
シンボルはFNV。資産56億ドル
カナダに本拠地があり、金鉱、天然資源に投資をしている会社で資金提供や売買などを行っています。
Sibanye-Stillwater Ltd
シンボルはSBSW。資産13億ドル
南アフリカ拠点の会社で、採掘量はプラチナでは世界トップ、今注目のパラジウムでは2番目、金では3番目にランクされています。
どこで買う
証券会社で購入可能です。
手数料無料のM1ファイナンスやRobinhoodロビンフッド、Publicパブリックでも、金のETFも株も購入することができます。
M1ファイナンス
端株購入ができるM1ファイナンスなら、小額で高値の有名企業の株を所有することもできます。
自分が使える株の資金が100%とすると、その中に好きなだけ何社もの株をいれることができますが、そこへ金のETFや株も入れられます。そうして全体の割合を100%にします
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Robinhoodロビンフッド
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Public パブリック
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まとめ
- アメリカで金を買う方法は2つ。現物を買う、または金関連の株やETFを買う。
- 現物は、購入時、保管維持、売却時に費用がかかり、手間もかかる。
ただし、見て、触れて楽しむことができる。 - ETFや株は、流動性があり、オンラインで売買が可能。ETFの経費も0.5以下が主流、手数料無料の証券会社を使えば、売買手数料もかからない。
いかがだったでしょうか?
購入するとなると、さらに掘り下げて調べなければならないことも多いかもしれませんが、気軽に金を売買できることを再認識していただけたかなと思っています。